今池混声合唱団20周年によせて
ベ一ス 説田守道
私は某団員のようにスカウトされたのではないが、中学時代から合唱部に属し、そのまま居座って今に至る。第1回演奏会は高校2年生、遠い昔で記憶が曖昧であるが、【愛ゆえに】の歌詞が印象深く残る。第2回は大学受験のため断念。第3回では慕情、夢のカリフォルニア等が気持ちよく歌え、メインの【島よ】は「しまよしまよしまよ」の臨床でなく輪唱部分を何十回となく練習した記憶がある。第4回は私が団長を務め、演奏会時70人の「登録」団員数があった。(おお!)「春・花の中なかで」「エトピリカ」で頚静脈も裂けんばかりに叫び、「光る砂漠」に指揮者の人格も変わるほど大いに悩んだ一年であった。その後学問に専念するため名古屋を離れたのだが、引っ越しの時に思わず口に出たのは【都会】の一節だった。第6回は【復活】がメイン。
第7回では【愛のメロディー】の中で、「恋の予感」はその後カラオケでも役に立ってくれた。残念ながら数えてみると第7回までしかステージに立っていなかった。演奏会にはなるべく顔を出すようにしていたが、最近はそれもかなわぬ状態であった。
昨今練習参加人員も少ないようで、定演開催に向け現在のスタッフは相当の努力をされたのであるが、そのおかげで、ついに12年ぶりに私もまた今混の団員としてステージに立てるのである。感涙。
アルト 襖田恵美子
20年前、私は高校生で今池中学合唱部OB会の一員でした。
その後今池混声合唱団となって20年間、自分が短大生になり、OLになり、人の妻となり、母となってもずっと合唱と関わってきたことに、今、深い満足感をおぼえます。
この間の演奏会でステージに立たなかったのは2度だけ。大きなお腹を抱えた私は客席から仲間に精一杯の拍手を贈りました。
どの年もどの演奏会も私にとっては、人生の中の大事な思い出です。20年の間には結婚や転勤等の理由でやめていった団員も少なからずありました。でも例え一度でも共にハーモニーを作った仲間、心を通わせた仲間というのは、なかなか忘れられないものです。今日は、そんな仲問達と一生懸命歌いたいと思います。
何百曲もの曲を、今までに演奏してきた訳ですが、その中でも一番好きなのは伊藤海彦氏作詞、荻久保利明氏作曲の混声合唱曲『季節へのまなざし』の「ひらく」「のびる」「みのる」「ゆめみる」の4曲です。合唱をやっていなけれぱ、この曲を知らずに終わったであろう一般的でない曲です。この曲を知り、歌い、また聴く楽しみを得ただけでも、合唱をやっていて良かったと思います。
合唱は、人数が多い程、演奏の可能性が広がります。だから仲間を集めるのです。でも、2人でもできます。
私以外の誰かがもう一人いてくれたら、私はずっと合唱を続けていくことができるのです。そうおばあちゃんになっても…。