−曲目解説−
V 混声合唱曲『ディズニーのうた』
ミッキーマウスやドナルドダックなどのディズニーのキャラクター達は、いつの時代にもこども達のアイドルです。また、大人にとっても、楽しさやこども心を呼び起こす象徴として根強い人気があります。
ディズニーランドに行くと、不思議なことに、心が晴れ晴れして、思わず楽しくなってしまうのはどうしてでしょうか。このあたりにディズニーの人気の秘密が隠されているような気がします。明るくて、楽しくて、嫌なことを全て忘れさせてくれるからでしょうか。
その一方で、ディズニーの映画のバックに流れている音楽は、ただ単に楽しさだけのものではありません。サラリと心地好く流れていく時もあれば、心の奥底に響きわたってくる時もあります。こども達だけではなく、大人の鑑賞にも十分絶え得る音楽、それがディズニーの歌なのです。どんなに年をとっても忘れたくない純粋な心や夢、それを呼び起こしてくれるような音楽、そんな演奏ができたら、という願いを、今日のステージにかけてみたいと思います。
W 混声合唱組曲 『風に寄せて』
この組曲は、昭和初期に活躍し、24歳でこの世を去った立原道造の2つの『風に寄せて』という連作の中から3遍を抜粋し、尾形敏幸が昭和57年から58年にわたって作曲をした組曲です。
立原道造は結核のため幼い頃から体が弱く、療養の意味もあって19歳の時に軽井沢を訪れました。それから、彼の本格的な詩作が始まりました。「風」は彼の詩の重要なテーマの一つで、風に自分の心を託すといった手法が見られます。風は生命や心を持ったもの、また、風は愛する人そのものでもあるようです。
作曲者尾形敏幸は、軽井沢を訪れ、その自然の素晴らしさの中で、素直に自然を描写した立原道造の詩に新たな感銘を受けて、この組曲を作曲しました。そのためか、曲はとても爽やかな仕上がりぶりで、立原の詩の持つ繊細さと、爽やかに吹き抜ける風の流れを大切にして表現をすることが要求されているようです。
日本語の美しさを大切にして、爽やかな流れを表現できたら、と思っております。