今池混声合唱団 第8回演奏会

〜Note〜

T 混声合唱曲「季節へのまなざし」

 日本は、特徴的な四季を持つ国す。その四季の移り変りの中で、人は様々なことを感じ、それぞれの季節を味わっています。

 この曲は、そうした四季の自然をそれぞれの章で描写しながら、「見る」という行為を通して、人の心の中にある自然や、四季の移り変わりを歌っています。

 花ひらき、すべてのものが動き出す春、ただひたすら、空に向ってのび続ける夏、すべてが静かに実りを迎える秋、そして、閉ざされた中でじっと耐え、新しい季節を待ちこがれる冬。人は、その季節の中で自然を見ることで、自分の中にある自然を知り、また本当の季節の意味を知ることができるものだと思います。

 作曲者の荻久保和明氏はこの曲を25才という若さでかき上げています。曲の随所に今までの合唱曲になかったような新しい感覚のリズムや音型がみられるのは、そのためだと思います。パワフルなビート感とナイーブな叙情性をあわせて表現できれば、と思っています。

U 混声合唱組曲「動物のカーニバル」

 この組曲は、サン・サーンスの「動物の謝肉祭」に歌詞を加え、合唱曲にアレンジしたものです。

 聞くところによると、このサン・サーンスという人、とてもユニークな人であったそうですが、榎木さんの詞も負けじとユニークで特に「ピアノのおけいこ」は、今にもピアノ殺人事件が起りそうな雰囲気の、おもしろい曲に仕上がっています。

 さあ、ライオン、にわとり、ラバ、象、ビーバー、化石となった動物たち、白鳥が次から次へと登甥します。それぞれの動物たちを2人のピアニストと合唱団で表現します。どうぞリラックスしてお聴き下さい。

W ジョージ・ウインストンの世界

 ジョージ・ウインストンのピアノ曲は、極めて叙情的で自然の美しさを感じさせる心安まる音楽です。そして単に情景描写にとどまることなく穏やかな中にも、強い感情の起伏を感じることができます。これらの曲を聴いて、ピアノの音の裏側にかくされている人間の心の動きを、合唱によって表現することで、より幅広い音楽にならないものかと、合唱編曲を思いたちました。

 今回は、ヴォーカリーズ(A. U. Dabada etc.)のみで構成されており、歌詞は全くありません。純粋な音の流れの中で、いろいろなイメージを想い浮かべて聴いていただきたいと思います。

 全5曲から成るこのステ一ジでは、秋から冬を経て春を迎える季節の流れを表しています。MOONは秋の夜の月景色を日本的な旋律で歌い、Thanksgivingでは、夕ぐれのもの寂しさを、Prelude 〜Carol of the Bellsでは、静かに降り積もる雪と、激しく吹き荒れる雪との変化を、そしてVariation on the Kanon by Pachelbelでは、雪の中から若芽がふきだし、やがて雪がとけ、野原一面に花開く春を迎える開放感を歌います。