今池混声合唱団 第7回演奏会

曲紹介

T 混声合唱曲「水のいのち」

 生命を維持する為に大切にされてさた水は、自然の中から離れて人々の生活を潤してきた。

 水は気体・液体・固体と姿を変える不思議なものであり、これら総ての水に気付いてみると、資源としてでなく変わりゆく姿の中で、 時として私たちに美しさを与えてくれる。海として水の輝きを持ち、水滴となり朝日を映し、川に清らかな流れを作り、湖こ静けさを醸し出す。 そうして美しく形を変えた水は、存在することによって、廻りの物をも美しく変える。海は空を、水滴は木々に緑を、川は魚や川辺の花たちを、湖は廻りの木々を。

 水は雄大な力を持ち、私たちに美しさを知らせてくれる。これほど表情を変える水には、やはり「いのちが」あるのかもしれない。

U ロジェ・ワーグナーの世界

 今日の合唱は、多種多様です。合唱技術や合唱団のレベルの向上に伴い、様々な合唱曲が生まれてきました。 心にしみわたる素晴らしい作品もたくさんありますが、複雑な曲も少なくありません。聴く側の立場からすれば、 難解で肩がこってしまうということもあるのではないでしょうか。ロジェ・ワーグナーの合唱曲は、 奇をてらうことなく、きわめてオーソドックスなものです。歌っていると、すぐにハーモニーが生まれてしまうような、 親しみ易いものばかりです。それでいて、その美しさや人の心を動かす魅力は、どんな大曲にも負けないものを 持っているような気がします。このステージでは、世界の名曲の中から、しみじみとした曲、アップテンポの軽快な曲等、 バラエティーに豊んた6曲を歌います。

 自然な流れの中で、心をなごませることのできるような演奏ができれば、と思っております。

W 混声合唱組曲「北廻船」

 「北廻船」の4曲は、それぞれが完全に独立したものであり、直接関連性はないと思われる。北を廻った船が立ち寄った、 いくつかの土地の事を4つの曲にしたのだろう。「橋守」は、旅人のまわりを舞う蝶を橋守に例え、旅人を山へと誘っている 。 「古い壷」は、山に眠っていた土が壷に形どられ、焼き上げられる。そんな壷の口は、何かを訴えているかのようだ。 「海のそこの川」は、海のそこの道が北に向かって延びている。その道を蟹が黙々と歩いている。「雪の晴れ間」は、 ただ静かに積もりたかった雪が、自分の意図を反して、人々の生活を脅かしてしまうが、晴れた日、一面の銀世界を見た 人々の心がなごんでいくことがわかり、雪自身の罪が消えたように感じる。

 全曲を通して、力強いフレーズが多く、歌う側にとっても、聴く側にとっても、歯ごたえのある組曲である。