今池混声合唱団 第15回定期演奏会

ステージ紹介

「MESSE DE MlNUIT」(真夜中のミサ)

 改めて説明するまでもなく、ミサ曲は本来ローマ力トリック教会、ミサ典礼の音楽であり、通常、キリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、アニュスデイの5つの部分から成ります。(今日はクレドを除いた4曲を演奏。)作曲者のシャルパンティエは17世紀フランスの重要な宗教音楽作曲家です。「真夜中のミサ」というタイトルから、どうも恐ろし気な内容を連想しがちですが、この曲はクリスマスの真夜中12時から、キリストの誕生を祝って行うミサのための曲で、純真で素朴な味わいを持つものです。

 団員のほとんどはクリスチャンではありませんが、"真白な心"で何かに祈る、という経験は誰もがしていることであると思います。不思議なものでオルガンの音は人の心のくさりを解いてくれます。私達の心の中の願い、迷い、つぷやき、叫び、etcをオルガンの音に乗せて素直に表現したいと思います。最後に、この紙面を借りて小粥先生に、団員一同、心より御礼を申し上げます。

「十ぴきのねずみ」

 この「十ぴきのねずみ」という曲の題材となっている谷川俊太郎の詩集"ことぱあそびうた"は、絵を伴って福音館書店という所から児童向けに出版されています。「十ぴきのねずみ」として合唱曲になった5つの詩は単なる"ことばあそび"に留まることなく、読む人それぞれにことばのイメージを想像(創造)させる力を持っています。そうした詩に作曲家が触れた時、歌曲なり合唱曲が生まれるということは至極当然のように思われます。しかしこの「十ぴきのねずみ」という曲は、そのように生まれた(作曲者曰く、「詩が最初から音楽として目の中に飛び込んで来た」そうですが)に、しては凝った作りで酒落ています。一見しただけでは意味があるのか、ないのか分からないような詩が、音楽となって皆様の耳に入った時に滑稽さや皮肉、あたたかさや力強さ、といったものを感じ取っていただければ幸いです。